以前からちょくちょく「革を草木染めできませんか?」や「ジビエの鹿革を天然染料で染めたいんです」などの質問や染色の依頼をいただきます。今回も「水牛の角を草木染してほしい」という話をいただきました。
このように、物づくりの相談をよく受けるのですが、結果を出せないと相談をくださった方にも迷惑をかけるので 、最近は安請け合いしないことを心がけています。先日も「牛の角は染めたことがないので—」と丁重に断ろうとしたのですが、「やってみてください!」と、おっしゃる情熱に負けて、結局はサンプルを染めてみることにしました。
▼ 染めて欲しいという水牛の角。
せっかくなので以前から何度か依頼されていた牛革と鹿革の草木染にもチャレンジしてみることにしました。ところが皮革や角は、布を染めるのと同じように高い温度をかけることができません。う~ん、どうすればいいんだろう―― 🤔と思案。いろいろと試行錯誤の末に、ようやく7つの色を染めることができました。
▼ 草木染した水牛の角。左上から右へ、茜、柘榴(アルミ)、柘榴(チタン)、藍。下段の左から右へ、五倍子、黄檗、紫根です。
▼ 草木染した牛革。左上から右へ、茜、柘榴(アルミ)、柘榴(チタン)、藍。下段の左から右へ、五倍子、黄檗、紫根です。以前にも鹿革を草木染しています。以前のブログ『草木染の鹿革』をご覧ください。
▼ 草木染した鹿革の角。左上から右へ、茜、柘榴(アルミ)、柘榴(チタン)、藍。下段の左から右へ、五倍子、黄檗、紫根です。
これらは、ただ色を付けたのではなく、しっかり媒染をしているので、ある程度の色落ちも防げると思います。ただ、堅牢度のテストは行っていません。今後は、草木染の牛革(レザー)で作ったバッグをはじめ、水牛の角を染めたボタン、さらには鹿革に草木染で模様(型染など)を施したアイテムなどの研究をしようと思います。これからの ひとつ屋を楽しみにしていてください。