先日、大阪(関空)から飛行機に乗って雲海を越えて――
ひと月ほど前のブログ『天正遣欧使節――伊東マンショ』で書いたとおり、この絵(伊東マンショ)に会うために九州の宮崎県立美術館(宮崎市)にやってきました。
この絵は天正遣欧少年使節の一人「伊東マンショ」。400年以上も前、彼は13歳の若さで遣欧使節に選ばれ、2年半もの月日をかけてヨーロッパへ赴きました。まずはスペイン国王のフェリペ2世に歓待され、ローマ教皇グレゴリウス13世に謁見し、さらに帰国後は京都の聚楽第(じゅらくだい)で豊臣秀吉にも会っています。しかし、伊東マンショといえば、今までは下のような肖像画しかなく、実在の人物をイメージさせるには程遠い歴史的資料でしかありませんでした。
自称 “歴史ファン” の私も、この肖像画なら、わざわざ飛行機に乗ってまで見に行かなかったでしょう。でも、さすが! ルネサンス期のイタリアで描かれた肖像画は本当にリアルで、400年以上も前に生きた人とは思えなかったからです。日本では、彼が会った天下人の豊臣秀吉でさえ、これほどにリアルに描かれたものはありません。ちなみに、このマンショの肖像画は、2014年にイタリア北部で発見されたものです。
さらに、帰国後の禁教令とキリシタン弾圧のなかで彼らは歴史に翻弄され、その過酷さは同じ年ごろの息子ももつ身に迫ってきます。一度、ネット上でも構わないので天正遣欧使節と彼らの生涯について調べてみてください。
とにかく、絵を実際に見ることの大切さを改めて痛感させられました。と同時に、この度で出会った九州の人の温かさにも心癒されました。伊東マンショの故郷――宮崎は、とても良い所で、よい思い出になりました。皆さん、お世話になり、本当にありがとうございました!