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放棄耕作地の再生と工芸作物の栽培(1)

現在の日本で「農業」といえば、 “食べるもの” を栽培することを意味します。しかし、かつては食品以外にも多くの農作物(工芸作物)がありました。 たとえば、染織に関してだけでも、「藍」や「紅花」、「綿」や「麻」、そして「養蚕」もその一つに数えられていました。ところが今は、 その多くが趣味として栽培されている程度で “産業” としては失われてしまいました。

さらに、食品のための農業でも農家の高齢化や後継者不足のために「耕作放棄地」や「荒廃農地」が増え、全国的にも大きな問題になっています。私たちの工房がある三重県でも、あちこちで「かつては田畑だったんだろうな」という荒れ地をよく見かけます。

集落の近くに残った耕作地でも害獣を防ぐためのフェンスやネットに覆われ、かつての長閑な風景はありません。それでも鹿や猪などの獣害を防ぐことはできず、わずかな田畑でさえ、耕すことをやめてしまうことに拍車がかかっています。

そんな状況に対して以前から「どうにかならないものだろうか?」「耕作放棄地で草木染にかかわる農作物を栽培できないだろうか?」と考えていました。特に、食べるものではない工芸作物は害獣の被害を軽減できるはずです。

そこで、数年前から染織にかかわる工芸作物を実験的に栽培してきましたが、ついに今年は実際の耕作放棄地を借りての生産を始めます。


耕作放棄地の再生


▼ 借りた耕作放棄地は約40坪ほど。すでに十数年もの間、利用されていませんでした。

▼ まずは草刈り機で雑草を刈ります。

▼ その後、耕運機を使って耕していきます。と、作業は順調のはずだったのですが、長期にわたって放棄されていた畑には芒(ススキ)の根がはびこり、家庭菜園用の小さな耕運機では歯が立ちません。

▼ はびこる芒の根。

▼ 急遽、耕運機から手作業に変更し、芒の根を一つ一つ取り除き、カゴに集めていきます。

▼当初の計画では、借りた耕作放棄地の全面を再生(復活)させる予定でしたが、思わぬ芒の根に苦戦し、予定の1/3の面積しか耕すことしかできませんでした。これにて、1日目の作業は終了です。


一度は衰退した工芸作物の生産(農業)を “産業として復活させたい” という無謀な夢で始めた今回の「耕作放棄地の再生」。初日から芒の根に阻まれて予定の面積には至りませんでしたが、これらも一つ一つの作業を積み上げて何らかの形にすべく真剣に取り組んでいきたいと思っております。

そんな「ひとつ屋の取り組み」についても、ホームページやSNSで発信してまいります。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

2022年5月3日

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