ひとつ屋では“草木染製品を持続可能な産業にしたい”という観点から、さまざまな取り組みを行っています。先日のブログでは『放棄耕作地の再生と工芸作物の栽培』というタイトルで、その取り組みについて書きました。
そして今回は、放棄竹林の竹を燃料にした物づくりについて報告します。
放棄竹林の燃料化
▼ ひとつ屋が三重県伊賀市の古民家に工房を開いたのは2018年の初夏のこと(『伊賀工房のはじまり』)。私たちがここへ来る前は、数十年にわたって人が暮らしていなかった家と、その裏にある里山は荒れるにまかされていました。
▼ まずは侵食された場所での竹の伐採です。里山の地面にも光が届くように竹を間引いていきます。ちなみに、竹と竹の間隔は、傘をさして歩けるほどがよいそうです。
▼ 伐採した竹は40㎝ほどの長さに切って、かまどの焚き付けにします。かまどは、この古民家にもともとあったもので、ボロボロになっていたものを修理しました(『へっついさん(かまどの修理)』 『かまど火入れ』)。
▼ ひとつ屋では、こうして放棄竹林の竹や里山で集めた枯れ枝を燃料に、古いかまどで糸や布を草木染しています。
▼ そして今年も、梅雨を前に竹林と里山の整備です。切り出した竹や雑木を切って燃料にておきます。
▼ かまどの前に積んでおく竹(薪)。ひとつ屋では風呂もこれで焚くので、アッという間に減っていきます。
放棄竹林の竹や里山の雑木を燃料にした“ひとつ屋の物づくり”は今始まったばかりで、まだまだ非効率で産業化に至るまでには工夫と時間を要します。それでも、燃料が高騰する世界の情勢を踏まえると、一概に“夢”だとはいえない気がしています。
▼ ちなみに、竹林を整備したので筍も採れるようになりました。