カテゴリー: 草木染の方法(YouTubeなど)

このカテゴリーでは、ひとつ屋がホームページやYouTubeにアップした動画を紹介しています。草木染の基本的な方法をはじめ、糸づくりや織り方など、染織に関わる工程を中心にまとめています。実際の作業の流れや手元の動きが分かるように、現場の視点から“How-to”をできるだけ丁寧に解説しています。

  • 桜染め①(染料を作る)

    桜染め①(染料を作る)

    暖冬だったせいで、今年(2020)は桜の開花が例年より早いようです。今年も桜の枝が手に入ったので「桜染め」をします。と書くと、もうすっかり「桜染め」に手馴れているようですが、正直のところ、うまくいったためしがありません。そこで、今年は何度目かのリベンジです。

    ちなみに、染料に用いる桜は “咲く直前の枝” がよいといわれています。開花させるエネルギーや桜色の成分が枝に集まっているからだといいますが、定かではありません。ただ、“桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿”という諺があるくらいで、桜を枝を切ることがめったになく、ましてや!これから咲こうとする枝を切ってしまうのは忍びないものです。

    そんな貴重な桜が手に入ったので、草木染め基本に立ち返り、思いつく限りの染め方、さまざまな方法で染めてみようと思います。今回は作品づくりというより、染め方(実験)の記録です。


    染め方


    ① 桜の枝1.8㎏(2020年3月15日採取)を3~5㎝に切ります。蕾が芽吹き、染料としてはベストの状態です。

    桜染め①(染料を作る)

    ② まずは枝についている汚れをよく水洗いします。

    桜染め①(染料を作る)

    ③ 桜の枝1.8㎏に対し、6ℓの水で煮出していきます。重曹などを入れて煮出す「アルカリ抽出」もありますが、今回は水のみで煮出します。「アルカリ抽出」は機会があればチャレンジしようと思っています。

    桜染め①(染料を作る)

    ④ 火にかけ、2時間ほどが経過した状態です。

    桜染め①(染料を作る)

    ⑤ 火を止め、ひと晩 放冷した状態です。

    桜染め①(染料を作る)

    いい感じです! 以前に何かの本に『「④ 煮出し」と「⑤ 放冷」を何度も繰り返して良い色が得られる』とあったので、今回は、この方法を試してみようと思います。

    さまざまな繊維を染めてみた結果は『【草木染】サクラ 』をご覧ください。

  • 藍の生葉でコットンを染めてみた

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    藍の葉に含まれるインジゴ(インジカン)という色素(成分)を布に染めつけることによって表現される藍染め――。ところが、藍の葉を採取して乾燥させたり、冷凍したりすると、この成分が水に溶けなくなり、特殊な方法を用いなければ布に染めつけることができなくなります。

    ▼ 藍の葉(タデアイ)
    藍の生葉でコットンを染めてみた

    逆にいえば、生葉のうちはインジゴが水に溶けるので、特殊な方法を用いなくても藍染めができるというわけです。きっと、これは草木染の中でも最も原始的な方法の一つで、以前から一度はやってみたいと思っていました。そして、一番藍を収穫した先日、ようやくチャレンジすることができました。


    藍の生葉染め 


    ① 収穫した藍を軽く水洗いし、茎から葉を外してミキサーで粉砕します。

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    ② 粉砕した葉を濾して染料にします。濾しとった葉をネットに入れ、さらに染料で揉み出します。

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    ③ この染料のなかに布を浸して染めてから空気にさらして発色させます。これを繰り返し水で充分にすすぎます。

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    ④ これを乾燥させて完成です。

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    藍の生葉でコットンを染めてみた

    建て染めとは、ひと味違った〝素朴な青〟に染まりました。ただ、生葉染めの場合、シルクのほうが染まりやすいのですが、それと知りつつも今回は、あえてコットン(夏用のストール)を染めてみました。
    もう少し藍の葉の量を多くしてもよかったかな!? と反省する点はありますが、ご覧のとおりの青を染めることができました。草木染(植物染料)の原点的な技法の体験ができた!! と満足しています。

  • ニンジン葉での染料の作り方

    ニンジン葉での染料の作り方

    以前、ニンジンの葉でシルクのストールを染めて、その色相の良さと堅牢度の強さには驚かされました。天然染料を愛する者としては変な言い方ですが、ニンジンの葉には “草木染とは思えないほど、いや化学染料かと思うほどの発色性” があります。でも、都会暮らしでは、ニンジンの葉を手に入れるが難しいんです。

    そんな話を近所の人に話すと、お知り合いの農家からニンジンの葉をいただいてきてくれました。ちなみに、ニンジンの葉は食べてもおいしく、わが家では炒め物なんかにしていただきます。と、そうしていただいているうちに、みるみる葉は減り、染料に使えるのは、これだけになってしまいました。

    ニンジンの葉

    ニンジンの葉

    ニンジン葉で染めたストール

    ニンジン葉で染めたストール


    【ニンジン葉での染料の作り方】


    ① まずはニンジンの葉を細かく刻みます。

    ① まずはニンジンの葉を細かく刻みます。

    ② これにヒタヒタより少し多めの水に重曹を加えて炊きます。

    ② これにヒタヒタより少し多めの水に重曹を加えて炊きます。

    ③ 40分ほど炊いてストレーナーで濾します。

    ③ 40分ほど炊いてストレーナーで濾します。

    ④ 酢を加えて中性にしてから染料として用います。

    ④ 酢を加えて中性にしてから染料として用います。


    下記のマフラーは、このニンジン葉の染料で(後日)染めたものです。
    詳しい染め方は『千鳥格子の手織りマフラー』をご覧ください。
    ※  今回は濃い染料を得るために重曹を使った“アルカリ抽出”という方法を紹介していますが、重曹を使わずに水だけで煮出してもかいません。明るい緑色を染めることができます。

    ニンジン葉での染料の作り方
    ニンジン葉での染料の作り方
  • 枇杷葉での染め方(後編)

    枇杷葉での染め方(後編)

    今回は『枇杷葉での染め方(前編)』 に続き、今回は後編です。いよいよ実際に染め上げていきます。


    枇杷葉での染め方


    ① 前回までに枇杷の葉を煮出して染料にしています。

    枇杷葉での染め方

    ② 今回は、こんな布を染めてストールに仕立てようと思います。コットンとレーヨンのスラブ糸を織った布です。

    枇杷

    枇杷

    ③ 精練してから、植物染料の染まりをよくするため濃染処理(カチオン化)します。

    枇杷葉での染め方(後編)

    ④ いよいよ染めていきます!! が、ここでちょっと実験です。

    草木染の場合、この段階で染料を高温にして“煮ながら染める”というのが一般的な方法なのですが、そうすると染まるのが急激なうえに、箸や棒で布を撹拌しないといけないので、染めムラになったり、ときには生地を傷めたりすることがあります。

    そこで、今回は実験的に“染料を高温にせず、染めてみる”ことにしました。染料の温度は43℃ほど。ちょうどよいお風呂の温度です。そこに布を入れ、手で広げながら、ゆっくりゆっくり染めてみました。

    枇杷葉での染め方(後編)

    ⑤ 濃染処理しているので、コットンで、しかも低温でもしっかり染まりました。染色後はアルミによる媒染です。

    枇杷葉での染め方(後編)

    ※「媒染」とは、いわゆる「発色」と「色止め」のことで、簡単にいえば、金属イオンが繊維と染料を結びつける働きをします。また、この媒染剤の金属の種類によって、同じ染料でも異なった色になります。媒染後、水洗い、煮洗い(炊いて洗います)、さらに水洗いを繰り返して乾燥させれば、染色作業は終了です。

    ⑥ フリンジを作って完成です。とても!いい色になりました。

    枇杷葉での染め方(後編)

    枇杷葉での染め方(後編)


    【備考】今回は、染料店で販売されている助剤を使ってコットン(植物繊維)に濃染処理(カチオン化)をしているので非常に濃く染まりました。が、未処理だとこのようには染まりません。昔は呉汁やミルクを使って、植物繊維を少しでも濃く染めたようです。ただし、色むらが起こりやすいです。


  • 泥藍(沈殿藍/藍錠)をハイドロ建てで染める

    泥藍(沈殿藍/藍錠)をハイドロ建てで染める

    先日、『沈殿藍(泥藍)の作り方』 と題して、自分で育てた藍で染料を作ってみたことを書きました。今日は、この藍を使って初めて実際に染めてみます。


    泥藍(沈殿藍/藍錠)の作り方


    ▼ ひとつ屋の染料農園で育てた蓼藍(タデアイ)です。

    沈殿藍(泥藍)の作り方

    ▼ 収獲した藍を発酵させて泥藍(沈殿藍/藍錠)を作りました。

    『沈殿藍(泥藍/藍錠)の作り方』に詳しい作り方を紹介しています。
    また、YouTube には動画で掲載しています。


    泥藍(沈殿藍/藍錠)の染め方


    ▼できた「沈殿藍(泥藍)」を完全に乾かして「藍錠」とします。乾かしたほうが正確に重さがはれます。

    沈殿藍(泥藍)の作り方

    ▼この「藍錠」10gに100㏄ほどの水を加えてよく溶きます。そこへ、苛性ソーダ7gとハイドロ10gを投入し、1000㏄ほどの水を加えて、苛性ソーダとハイドロをよく溶かします。溶けにくい場合は、温めてください。できた染料を5000~6000㏄のぬるま湯に入れ、濡らして軽く絞った被染物を入れて5~6分染めます。
    ※ 苛性ソーダの取り扱いには注意してください。

    泥藍(沈殿藍/藍錠)をハイドロ建てで染める

    ▼ その後、被染物を空気(酸素)に晒して青く発色させ、よく水洗いして乾燥させれば完成です。

    泥藍(沈殿藍/藍錠)をハイドロ建てで染める


    この染め方は「ハイドロ建て」や「化学建て」と呼ばれる方法で、ハイドロや苛性ソーダなどの助剤を必要とする方法です。掲載した写真以上に青く(紺色)に染めたい場合は、泥藍(沈殿藍/藍錠)の作り方(濃度を上げる)を工夫する必要があります。

    ひとつ屋では、できるだけ助剤を使わない方法を研究中です。その報告を楽しみにしていてください!